両手から溢れる愛を
てか早く帰りたいんだけどなー。
スマホで時間を確認したら、さっきよりも大分と進んでしまっている。
ご飯食べてお風呂入ってとか色々してたら意外と時間なくなるんだよな。
それに一話目と二話目も見返そうと思ったら、より一層窮屈なスケジュールになってしまう。
……でもこの中を突っ切っていくのもな。
他のクラスの靴箱でやってくれたらまだいけるはずなのに。
三島達がいるのは私のクラスの靴箱だから、靴を履き替えるときに見つかるのはもう必然だ。
まぁ三島も同じクラスだからしょうがないんだけどね。
でもいい加減進まない状況に、動かない三島に、痺れを切らしたのは私の方だった。
ガタン。
靴箱を開けた音に反応して、2人がこちらを振り向く。
「あ、氷川」
三島の声は無視。
「お疲れっじゃねっ」
そそくさと靴に履き替えて、その場を後にしようとした私の思惑は達成されなかった。
「ちょ、待って待って」
私の腕を捕まえた、三島によって。