両手から溢れる愛を

「2人でなに話してるの?」

あ、こわっ。
笑ってるのに目が怖いんだわ、恋する乙女よ。


「なんでもないですぅ。じゃあね」

びしゃっと、勢いをつけて踏み出した一歩目が水溜まりに突っ込んだ。

最悪。


傘を差してるといつもとバランスが違って何か走りにくい。

大きな水溜まりは避けれても、至る所にできた小さな水溜まり達がぱしゃぱしゃと足に跳ねる。

足はもうすでにずぶ濡れだから痛くも痒くもないけどね!

あ、まって。靴に水染みてきた。これは流石に辛い。


立ち止まって雨が必死に傘を叩く音を聞く。靴下に染みる水の感覚にぶるりと体を震わせる。


可愛い子だった。

くるんとカールした毛先が、パッチリとした大きな目が。

素直な性格で、私はちょっと怖いと思ったけど、でもあんだけグイグイいける子の方が、好きになるのかも。

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