両手から溢れる愛を
「ふ、ふふっ」
「笑うなよ。まじで恥ずかしいんだって」
「あっはっは。だって、同じこと考えてたんだもん」
「え?」
キリッとした顔から、きょとんとした顔になった三島が面白くて可愛くて。
「また雨降ったら、一緒に帰れるかなって。折りたたみ傘さえ入れてれば、いつでも大丈夫だし、いつかは日の目を見るかもって」
折りたたみ傘のわずかな重みが、今もなお鞄の中で存在を主張している。
「だから、嬉しい」
緩んだ顔と、感情がはち切れそうな程痛む心臓。
「あ、お、おれも!」
三島がそう言って、肩から私のタオルがずれ落ちた時だった。
────ドォン!ゴロゴロ……
低く唸る雷の音は、まるであの時と同じ状況で。
それにどこか気まずくて、でもお互い今度は目を離さなかった。
「氷川、好きだ」
「……うん。私も」
何だか照れ臭くなって、そわそわと目線を漂わせる。
どこか落ち着かないまま、三島が落ちたタオルを拾って、もはや無意識に、その手に自分の手を重ねた。