一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
「そんなもん」

「そうか」
塁はクスッと笑った。

そして、私の家まで送ってくれた。
最後に、合鍵も渡してくれて。

「いつでも来ていいから。」

「あ、うん。わかった」

「おう。んじゃな」

そう言って、キスを落として頭をポンとされた。

名残惜しいな。

「塁。」

「ん?」

「またね」

「ああ。またな」

塁は、スーっと車を発車させた。




いつもは、起きたらもう塁がいなかった。
それはそれで、少し寂しかったけど。

こうやって、起きてる時にサヨナラをするのもなかなか寂しいって事が、今日良くわかった。

塁も、だから寝てる間に帰ってたのかな?

なんて思いながら部屋に入った。
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