一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
そして俺はそっと丈慈を抱き上げた。

デカい。かたい。
ははは。
でもやっぱり、ちっこいな。

手のひらに指を持っていけば丈慈はキュッと握った。

おお。
かわいい。

「デレデレじゃん!」
麗に突っ込まれる。

「なんだよ。悪いかよ。おれは丈慈の叔父だ」

「はははは!ヒカリにも抱かせてあげてよ」

「ああ。ヒカリ。ほら」

そう言ってヒカリにそっと丈慈を預ける。

「かわいいー!い、意外と重いね!なんかドシっとしてる」

そんな事言いながら丈慈を見つめる瞳は、とても優しい眼差しだった。

ヒカリ。
俺たちの所にも、子供来るといいな。
そう心の中で言った。

ヒカリもそんな俺に気づいたのか、俺を見てちょっとウルっとした瞳で微笑んだ。

大丈夫。すぐだ、きっと。
俺も、ゆっくりと頷いた。
< 219 / 277 >

この作品をシェア

pagetop