一途な副社長は寵愛する彼女に愛を注ぐ
俺は維織を抱き上げようとソファーから立ち上がった。
すると、絃がよしよしと先に座ったまま維織を抱き上げた。
「ううー」
ははは。落ち着いたらしい。
「維織。大丈夫か?」
俺はそのまま2人の元へ行ってしゃがんだ。
「ううっ」
維織はべったりと絃にしがみついている。
ははは。
かわいいな。俺は維織を撫でた。
「絃。ありがとな。さすが兄貴だ。すぐ気づいて、優しいな絃」
絃の事も撫でて褒める。
「絃、維織のおにーちゃんだから!」
絃がドヤ顔している。
「そうだな。カッコいいぞ。」
そんな事を言っているうちに、維織はすっかり泣き止んで、またおもちゃで遊び始めた。
「おいで」
俺は絃を抱えて座らせた。
絃は、ちょこんと俺の上に座った。
すると、維織も走ってきて、絃の足の間に座った。
3人で縦に並んだ格好になる。
ははは。
「今度。パパとヒカリ、結婚式をするんだ。絃、結婚式って知ってるか?」