病んだ心をつまびいて



「ちょっと、みんな並んでるよ?整列しないと……」

「あ!平石だ〜」

「はーい!平石がチューしてくれたら整列するー!」




このあいだ私に絡んできた早瀬と皆本が輪の中心にいて、めんどくさいテンションで絡んでくる。

もうほんと苦手。




「ちゅーなんてしないから。ほら、はやく並んで」

「聞いたか?平石がチューって言ったぞ?」

「かーわいー」

「からかわないで。先生来ちゃうから」




早瀬のジャージを引っ張る。


しかしその手を逆に引き寄せられてしまい、早瀬の胸に激突する。


新山くんとは全然ちがう、甘ったるにおいがした。




「やっぱかわいいよなー、平石って」

「ん、はなしてよっ」

「チューしたら離してあげる」




するり、と腰を撫でられた。

気持ち悪くてゾワゾワする。



うしろの方に並んでいる男子たちはみんな気づいてるはずなのに、誰もこちらを見ようともしない。



悔しいけど賢明だ。
こんなの、触らぬ神に祟りなしだもん。



でも、こうあからさまに自分の立ち場の悲惨さをいやでも思い知らされれば、胸がジクジクと痛むのも本音。




きっと華凛の扇動が進んでいるのだろう。

華凛は性別関係なく恐れられているから。



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