病んだ心をつまびいて
「おまえ、あいつらを庇うの?」
振り向きもせず、新山くんの重たい声が落とされる。
「平石に触れたあいつらを、許せっていうのか?」
「そうじゃない、けど……私は平気だから……その」
「平気?キスなんかされて平気なの?それマジで言ってんなら、平石にもすこしひどいコトするしかなくなるけど」
"ひどいコト"
ぼやけた5文字でも、なにを与えられるのか脳が理解してしまう。
私は新山くんに守られている。
心も、体も、なにもかも。
庇護下に置いて、意思すら矯正されながら。
この言動も私のため。
新山くんの腕の中にいれば、外の世界からやってくる悪意や痛みを受けることはなくなる。
けど、すべてを委ねることができないのは、その守護には必ず危うさが伴うから。
「おねがい……誰も……傷つけないで」
私の言葉に、新山くんは応えなかった。
ただ一言
「なら早く、俺のものになれ」