病んだ心をつまびいて
「平石」
至近距離で見つめられる。
私は必死に首を横に振った。
「やだっ、やめて早瀬、おねがい」
勝手に涙が出てくる。
「殴っても叩いてもいいから……こういうのだけは……いや」
傷や腫れなら治る。
でも、尊厳だけは戻らない。
早瀬のシャツを握りしめ、縋りつけば、私を見つめる瞳があきらかな興奮の色を宿した。
「なに、それ……やばいな、なんか変なトビラ開きそーなんだけど……」
スカートをたくし上げられ、ふとももとおしりを撫でられる。
「ん……ぅ……」
「なぁ、平石、言わないでほしい?」
「うん……」
「パンツ、見てほしくない?」
「うん」
「わかった。見ないし言わねぇよ。でも、代わりに俺にだけ教えて?」
絶対にやだ。
喉まで出かけた言葉を飲み込む。
ここで拒絶すれば、クラスの男子おろか、教室の全員にバラされる。
そうなれば、校内中に広まるのも時間の問題だ。
「誰にもいわないで……」
「うん」
「耳、かして」
「うお、かわい……」
早瀬のネクタイを引っ張って、背を屈めてもらう。
「…………あお」
死にたい
脳裏に浮かんだのはそれだけだった。