病んだ心をつまびいて


寝室のベッドにおろされ、毛布を肩までかけてもらう。




「薬と……あと必要なものを買ってくるよ。食欲はあるかな?薬を飲むならなにか食べないと」

「いや、そこまでしていただかなくても……」

「させてよ。僕はきみの将来の旦那様なんだから」




お茶目なトーン。
しかし冗談には聞こえないその言葉。


そうだった。

私、アズマさんにプロポーズともとれることを言われていたんだ。





──僕、茜ちゃんと結婚するから





あのときの彼の愛おしげな目が脳裏によみがえる。




「私と結婚する……なんて、本気で言っているんですか?」

「もちろん」

「からかってるだけ……ですよね?」

「切ないな。おふざけで結婚を口に出す男だと思われてるなんて」




私の髪をやさしく撫でながら、また困ったように笑う。



「とにかく説得は後だ。いまは愛するきみの体を労らないと」



アズマさんは私の前髪にキスを落とし、部屋から出ていった。



「……んむ」



頬が勝手に火照るの、どーにかしてほしい。



いままで関わってきた男の人とは全然ちがう。
まるで王子様みたいな言動に不覚にもときめいてしまう乙女心。



ものすごく大切にされているような感覚に包まれて、胸の奥がじんわりとぬくもりを帯びた。



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