病んだ心をつまびいて
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「ん……」
いつのまに寝てしまっていたのだろう。
ふわりふわりとやさしい感触にまぶたを開ける。
アズマさんが私の頬を撫でていた。
ひんやりと冷たいてのひらが心地よくて、たまらず擦り寄ってしまう。
「かわいいなぁ……食べちゃいたい」
そのてのひらが私の目を覆う。
真っ暗な世界で、くちびるに熱いものが乗せられた。
くっついて、はなれて、またくっつく。
数回繰り返したあと、視界が広がる。
私を暗闇にとじこめていたてのひらは、ふたたび頬を撫ではじめた。
なに……されたの、いま。
熱で頭が働かない。
息苦しさに小さく喘げば、その指はなぐさめるみたいにスリスリと私の喉へ触れた。
「茜ちゃん」
「……ぅ」
「茜ちゃん、茜ちゃん」
「……」
「茜ちゃん」
何度も私の名前を愛おしげにつぶやくアズマさんの顔がものすごく近づいてくる。
きれいな、ひとみ……
反射的に目を閉じれば、またあの熱い感触。
抵抗もできぬまま、しっとりとくちびるに重なるそれを受け入れていると
──ぐぅ
私のお腹が鳴った。