病んだ心をつまびいて
頭に浮かぶのは、新山くんと仁奈の顔だった。
新山くんは私の気持ちを信じていてくれる。
しかし、この動画を彼が見たらどうだろう。
私が注いだ好意の言動が、すべて反転して映るに決まってる。
仁奈だって同じだ。
不誠実を許せない私の性格を誰よりも知ってくれているのに、まるでこれまでが嘘だと見せつけているみたいじゃないか。
「教室入んならギリギリのほうがいーぜ。俺も一緒に行ってやるから」
「いいよ、ひとりで入る」
「どうせ同じクラスなんだからいいだろ?」
なんで早瀬がそこまでするの?
頭ひとつぶん上にある顔をのぞきこめば、ふっと視界が暗くなって
「や、めてよっ」
またキスをされた。
逃げれば壁に押しつけられ、繰り返し口を塞いでくる。
全然こっちのことなんて考えてくれないから息が乱れる。
なにもしないって言ったのに。
うそつき。
「なぁ、平石」
「はぁっ、な、なに」
「この動画見たときの新山、どんな顔してたとおもう?」
聞きたくなかった。
会いたくない。
新山くんに、会えない。
「私のことなんか……幻滅、してるよ」
ポロッと涙がこぼれた。
あの悪魔のせいで最近泣いてばかり。