病んだ心をつまびいて
しかしその指先は、折れるほど強く掴まれた手首の痛みによって遮られてしまう。
「ぁ……うっ」
ミシ……と、骨が軋む感覚がした。
新山くんの放つ空気が一変する。
これまで向けられてきた危険な愛の数々が浅く優しいものだったと思わせるほど──獰猛な殺意。
熾火のごとく、すでにその段階を越えて、なにもかもが凪いでいる彼の姿。
矛盾しているようで、過ぎ去った激情をしかと示していた。
ここまでたどりついた人間は、なによりも恐ろしい。