優しい愛で溶かされて

「でも…」

「神崎さんに作ってもらったんだ。すごく出来がよくてね。君のはもういらないよ。前回の分かりづらかったし、きっと今回もだめだろう」

「ちょっと課長〜!そんな言い方酷いですよ?ごめんなさぁい、山下さんっ」


課長の酷い言い方に、神崎さんは眉毛を下げて綺麗な顔で微笑みながら顔の前で手を合わせた。


「っ、いえいえ…私なんかだめですから…」


何とか絞り出した声は2人に届いただろうか。
あまりのひどい仕打ちに言葉が上手く声に乗らない。

昨日、どれだけ頑張って資料を作成したと思ってるの?したくもない残業をして、私は見ても貰えない資料を作ったって言うの?

悔しい、そんな感情が私を埋め尽くす。


「まぁ次頑張れよ山下。あ、そうだ。今日新人来るから。OJTはお前な。頼んだぞ〜」


課長はひらひらと手を振った後、神崎さんと一緒に休憩室を出ていった。


「わたし、ばかだなあ」


都合よく使われて、いらなくなったら捨てられる。それもこれも、きっと私ができない人間だから。


堪えていた感情が一気に溢れてきそうになって、私は慌ててトイレへと走り込んだのだった。


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