繊細な早坂さんは楽しむことを知らない
残念がる奈江を励ますように、「見つかってるといいな」と青年は言い、手もとのランプに視線を落とす。
「もう直るから」
その言葉通り、彼は部品ごとに分けられていたパーツを慎重に組み立てると、作業台に取り付けられたコンセントにランプのプラグをさし、スイッチを入れる。
「あ、ついた」
心なしか、声が弾む。優しい黄昏色を見つめていると、伯母の喜ぶ顔が浮かぶ。
「もう大丈夫だよ。定期的にメンテナンスするといいって、伯母さんに伝えてもらえるかな。来るのが大変なら、出張修理もしてるから」
青年は作業台の後ろにある棚から名刺を取り出すと、奈江に差し出す。
「俺、こういうものだから」
受け取った名刺に視線を落とすなり、奈江は弾けるように彼を見上げた。
「代表取締役?」
もう一度確認するが、確かに、そう書いてある。
「猪川秋也って言います」
驚く奈江を面白がるように、秋也と名乗る青年はうっすらと笑む。らんぷやの客が、名刺を渡されるたびに取るリアクションで、慣れているのかもしれない。
ふたたび、名刺をじっくりと眺める。
吉沢らんぷの店長という肩書きの下に、もう一つ肩書きがある。株式会社ジェンデの代表取締役兼企画エンジニア。小さならんぷやでランプの修理を黙々とこなす彼からは想像もしなかった肩書きだ。
「もう直るから」
その言葉通り、彼は部品ごとに分けられていたパーツを慎重に組み立てると、作業台に取り付けられたコンセントにランプのプラグをさし、スイッチを入れる。
「あ、ついた」
心なしか、声が弾む。優しい黄昏色を見つめていると、伯母の喜ぶ顔が浮かぶ。
「もう大丈夫だよ。定期的にメンテナンスするといいって、伯母さんに伝えてもらえるかな。来るのが大変なら、出張修理もしてるから」
青年は作業台の後ろにある棚から名刺を取り出すと、奈江に差し出す。
「俺、こういうものだから」
受け取った名刺に視線を落とすなり、奈江は弾けるように彼を見上げた。
「代表取締役?」
もう一度確認するが、確かに、そう書いてある。
「猪川秋也って言います」
驚く奈江を面白がるように、秋也と名乗る青年はうっすらと笑む。らんぷやの客が、名刺を渡されるたびに取るリアクションで、慣れているのかもしれない。
ふたたび、名刺をじっくりと眺める。
吉沢らんぷの店長という肩書きの下に、もう一つ肩書きがある。株式会社ジェンデの代表取締役兼企画エンジニア。小さならんぷやでランプの修理を黙々とこなす彼からは想像もしなかった肩書きだ。