望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
史輝に愛されていないのは分かっている。
それでも美紅は史輝が大切だから、報われなくても彼に尽くしたい。
無気力だった心に、少しだけど力がこみ上げてくるような気がした。
翌朝。美紅は本家からの迎えの車に乗り込んだ。
見送る者は誰もいない寂しい旅立ちだ。
予想していたので落ち込んではいない。むしろ笛吹家から出られててほっとしている。
幼い頃から十年以上暮らした家だけれど、美紅にとって安らげる場所ではなかった。
私物なんてほとんど持っていないし、未練もない。
初めて乗る車の方が安心できるくらいだなんて。つい苦笑いが零れてしまう。
十五分程走ると、車が赴きのある門を通った。
敷地内はまるで林のように、背の高い樹木が並び立っている。
しかし門から繋がる道は綺麗に整備されており、車は揺れずにスムーズに走っていく。
子供の頃に何度も訪れた屋敷だけれど、十年以上前のことなので記憶が断片的だ。
鮮明に覚えてるのは、史輝が見せてくれた青い鳥。
(あの巣はどの辺りにあったのかな)
記憶を探りながら窓の向こうを眺めていると、青みがかかった灰色の屋根が見えてきた。
それでも美紅は史輝が大切だから、報われなくても彼に尽くしたい。
無気力だった心に、少しだけど力がこみ上げてくるような気がした。
翌朝。美紅は本家からの迎えの車に乗り込んだ。
見送る者は誰もいない寂しい旅立ちだ。
予想していたので落ち込んではいない。むしろ笛吹家から出られててほっとしている。
幼い頃から十年以上暮らした家だけれど、美紅にとって安らげる場所ではなかった。
私物なんてほとんど持っていないし、未練もない。
初めて乗る車の方が安心できるくらいだなんて。つい苦笑いが零れてしまう。
十五分程走ると、車が赴きのある門を通った。
敷地内はまるで林のように、背の高い樹木が並び立っている。
しかし門から繋がる道は綺麗に整備されており、車は揺れずにスムーズに走っていく。
子供の頃に何度も訪れた屋敷だけれど、十年以上前のことなので記憶が断片的だ。
鮮明に覚えてるのは、史輝が見せてくれた青い鳥。
(あの巣はどの辺りにあったのかな)
記憶を探りながら窓の向こうを眺めていると、青みがかかった灰色の屋根が見えてきた。