望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
時間したらニ十分程度だが、鏡に移る姿は自分とは思えない。まるでどこかのお嬢様のようにすら見えた。

「いかがですか?」

明日香が自信に溢れた表情で聞いてくる。きっと美紅の様子から答えが分かっているのだろう。

「すごく変わったから驚きました。本当に私じゃないみたい……明日香さん綺麗にしてくれてありがとうごじます」

「綺麗になったのは美紅様の素材がよいからですよ。さあ、行きましょう。きっと史輝様も驚くと思いますよ」
「あ、そうだといいんですが」

彼が美紅の外見の変化に、何らかの感想を持つだろうか。

親しくしていた頃だったら「可愛くなったね」と褒めてくれただろうが、今は分からない。

反応が想像出来ない程、現在の史輝について美紅は何も知らないのだ。

川田の案内で史輝との話し合いに向かう。

彼の部屋は美紅の部屋の真向かいだったから、ほんの数秒で到着してしまい、心を落ち着かせる暇もない。

「史輝様、美紅様をお連れしました」

「入れ」

低くよく通る声が帰って来る。

「失礼いたします」

川田が扉を開いた。ここから先は美紅ひとりで行かなくてはならないようで、入室するように促される。
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