お願い、成仏してください! ~「死んでも君を愛する」と宣言した御曹司が幽霊になって憑きまとってきます~
行きたくもないのにトイレに行く。
「ちょっと待ってよ」
彼が慌てて追って来る。
「トイレにまでついてこないで!」
言うと、彼は困ったように入口で私を待った。
先が思いやられる、と私はまたため息をついた。
おずおずとフロアに戻る。
と、同期の富樫慎司さんが声をかけてきた。
「大丈夫? なにかあった?」
「……大丈夫」
なにをどう説明していいのかわからない。幽霊が見えるなんて、信じてもらえないに違いない。
「困ったことがあったらいつでも言って。話、聞くからさ」
私は驚いて彼を見た。
彼とは今まであまり話したことがない。あたりさわりない世間話をする程度だ。
「ありがとう」
お礼を言うと、照れ臭そうに彼は席に戻った。
「なんだよあいつ」
不満そうにカズが言う。
私は返事をせずに席に戻った。
「君に気があるのかな。もしそうなら絶対に許さない。ねえ、あんなやつに気持ちを持ってかれたりしないよね? 浮気しないでね?」
カズの言葉を聞き流し、私は必死に仕事に集中した。
私が仕事を終えるまで、彼はつまらなさそうに室内をウロチョロしていた。
特に富樫さんのことは何回も近くに寄って眺めていた。
定時で仕事を切り上げ、私は会社近くの神社に向かった。
「なんで神社?」
カズに聞かれたけど、私は答えない。
「遅い時間に行くのは良くないんだよ。参拝時間とか、神社のサイトにも載ってるじゃん」
私はそれも無視して、お財布を取り出す。
「もしかして、俺の成仏を願おうとしてる? 成仏って仏教の概念だから、神様にお願いするのってどうなのかな。神道だとね、えっと……」
「ちょっと待ってよ」
彼が慌てて追って来る。
「トイレにまでついてこないで!」
言うと、彼は困ったように入口で私を待った。
先が思いやられる、と私はまたため息をついた。
おずおずとフロアに戻る。
と、同期の富樫慎司さんが声をかけてきた。
「大丈夫? なにかあった?」
「……大丈夫」
なにをどう説明していいのかわからない。幽霊が見えるなんて、信じてもらえないに違いない。
「困ったことがあったらいつでも言って。話、聞くからさ」
私は驚いて彼を見た。
彼とは今まであまり話したことがない。あたりさわりない世間話をする程度だ。
「ありがとう」
お礼を言うと、照れ臭そうに彼は席に戻った。
「なんだよあいつ」
不満そうにカズが言う。
私は返事をせずに席に戻った。
「君に気があるのかな。もしそうなら絶対に許さない。ねえ、あんなやつに気持ちを持ってかれたりしないよね? 浮気しないでね?」
カズの言葉を聞き流し、私は必死に仕事に集中した。
私が仕事を終えるまで、彼はつまらなさそうに室内をウロチョロしていた。
特に富樫さんのことは何回も近くに寄って眺めていた。
定時で仕事を切り上げ、私は会社近くの神社に向かった。
「なんで神社?」
カズに聞かれたけど、私は答えない。
「遅い時間に行くのは良くないんだよ。参拝時間とか、神社のサイトにも載ってるじゃん」
私はそれも無視して、お財布を取り出す。
「もしかして、俺の成仏を願おうとしてる? 成仏って仏教の概念だから、神様にお願いするのってどうなのかな。神道だとね、えっと……」