お願い、成仏してください! ~「死んでも君を愛する」と宣言した御曹司が幽霊になって憑きまとってきます~
「そんなわけないよ!」
「でも、さ、でも!」
 彼はそわそわした。

「薬局に行って検査薬買って来ようよ! 近くに遅くまでやってるとこあったよね!?」
 私は黙ってうつむいた。
 もう検査薬は試したあとだ。

「……明日、病院に行くから」
「ホントに? 絶対だよ!」

 カズはうれしそうに跳ねてリビングに戻る。
 私はため息をついた。




 
 翌日、私は産婦人科に行った。
 落ち着かない気持ちで問診表を書いて尿検査を受ける。
 呼ばれてから診察室に行くと、カズは憑いてきた。

「最低、憑いてこないでよ」
 小声で文句を言う。

「だって心配だもん」
 カズはくねくねと体をくねらせて、結局憑いてくる。
 診察室に入ってすぐ、カズは怒り出した。

「この医者、男じゃないか! 女医のところ探そう!」
 うるさい、と私は黙殺した。

 この! この! と殴ろうとする彼が見えた。その手は全部スカッと空振りしていた。

 問診のあと、独特の内診台で器具を挿入されて検査を受けた。

「なにこれ、なんで、なにしてんの!?」
 ほんと、黙っててほしい。おかげで気がまぎれたけれど。

「ああ、赤ちゃんいますね。画像、わかります? 心臓が動いてるのが光の点滅でわかると思いますが」
「はい」
 医者の言葉に、私は驚いて画像を見た。

 ちかちかしている点滅に、思いがけず胸がどきどきした。

「これ? これが俺の子供!?」
 画面にカズがかぶりついて、急に見づらくなった。

「どいてよ、見えないじゃない」
「あ、ごめん」
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