最強総長さまは元執事
流星に言われ、その女に自己紹介をすることになったオレたち。
『じゃあ、僕からかな? 僕の名前は優真。副総長をやってるよ。よろしくね。……あ、流星が敬語なんだから、僕も敬語を使うべきかな?』
ごもっともだった。オレもそれは迷っていたから、優真が先に訊いてくれたのは助かった。
コイツは流星に気を許されているだけあって、空気も読めるし気も使えるし頭がいい男だ。
というかそもそも、口止めされて、自己紹介を命じられて、それでも一瞬で切り替えられるのが流石としか言いようがなかった。
『別に……大丈夫。』
部屋に入ってきたときから思っていたが、あの美人は、冷たく無口で人に興味関心がないように見える。
どことなく、流星に似た雰囲気を纏っているからだろうか。怪しすぎるくせに、なぜかあまり警戒心が湧いてこなかった。それでも、警戒しなければならない。
そんな思いを抱きながら、しかしそれを悟られないように気をつけながら、オレも優真に続いて挨拶をした。
敬語はまぁ、いらないよな。
『オレは陽太だ!よろしく!』
うるさいほど元気に、明るく、太陽のような笑顔で。
それが、“オレ”の性格だから。
『ぼくの名前は葵だよっ!よろしくね♪』
『……湊だ。』
いつものごとく、ぶりっ子にも思えるような態度で葵も挨拶をし、湊は無愛想に挨拶と呼べないような自己紹介を警戒心丸出しでしたが、あの美人の表情には少しも変化がなかった。