最強総長さまは元執事
とりあえずオレらは自己紹介終わったわけだし、その女の番だ。
そういえば、「愛華様」って呼ばれてたし、“あいか”という名前なのだろう。まあでも、自己紹介してもらわないとこの美人が何者なのか分からないままだ。
そう思って、美人の言葉をみんなで待っていた。
しかし………
『……花園愛華。』
は、それだけ?と思わず目を見開く。
いや、そう思ったのも仕方ないと思う。
だって、これだけだとは誰も思ってなかっただろ?これでわかったことなんて、苗字だけだし。
自己紹介の意味、わかってるのか………??
ここでようやく、美人——花園愛華の表情に変化が現れた。怪訝な表情への変化ではあったが。
まるで、なにか悪い?とでも言いたげな表情。
まるで、オレたちの警戒心に気づき、不快に思ったような表情。
湊はともかく、オレと葵は警戒心を隠していたはずなのに。なぜ、察せられたんだ?いや、ただオレが思い違いをしているだけかもしれない、落ち着け。
そう自分に言い聞かせつつも、その変化にさらに戸惑わざるを得なかったが、ふと横目に見えた優真は、なにも気にしていない様子で、いつも通りの穏やかな目をしていた。
『おい。お前ら、愛華様にどんな態度してる…?』
そのときいきなり、流星からものすごい殺気が発せられた。もちろん、オレたちに向けられたものだ。
思わず体が一瞬凍りついた。この、冷たく鋭い殺気にはいつまで経っても慣れれる気がしない。
おそらく、オレたち——優真を除いて、が困惑と警戒心をあからさまに出してしまったのだろう。