かりそめ婚のはずなのに、旦那様が甘すぎて困ります ~せっかちな社長は、最短ルートで最愛を囲う~
 拓斗が仕事で忙しくする傍ら、結婚式の話も進んでいた。
 どうやっても招待客は二百人以上になるという。
 それを収納できる超高級ホテルが会場に選ばれた。
 会場のレイアウト、装飾、招待状、席次、名札カード、メニュー、引き出物……こんなに決めないといけないものがあるのかと驚く。
「まいったな」
 溜め息をついた拓斗はそれでも逃げることなく、一緒に決めてくれる。
 でも、望晴のドレスを選ぶときには拓斗は楽しそうだった。
 そして――。
 結婚式当日。
 純白のドレスに身を包んだ望晴は綺麗に化粧をしてもらって、鏡を見せられる。
 ドレスは上半身からウエストまで流れるような上品なレースに覆われ、シルクオーガンジーのスカートがAラインに広がるデザインだ。その裾もレース飾られ、とても華やかで心が浮き立つ。
 髪も編み込みでアップに整えられ、ティアラとベールに包まれている。
「綺麗だ、望晴」
 準備が終わったようで、拓斗も横に並んだ。
(こんなに白のフロックコートが似合う人っている!?)
 望晴は息を呑んだ。
 彼のフロックコートは白で、襟とタイはシャンパンゴールド、ベストは濃いベージュのストライプ。スラリとした拓斗がさらに洗練されて見える。
「拓斗さんもとても素敵です」
 うっとりと見つめていたら、彼が指先で望晴の頬をなでた。
「望晴、今日という日を迎えられて、うれしい」
 想いを込めて伝えられた言葉に、望晴の目が潤む。
「私もです、拓斗さん。あなたに会えてよかった」
 もう偽りの妻でも便宜上の妻でもない。
 本当の妻として、この人と生きていく……!
 微笑んだ望晴は拓斗の手を取った。


 ―fin―
< 52 / 52 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:113

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

魅了たれ流しの聖女は、ワンコな従者と添い遂げたい。

総文字数/84,899

ファンタジー79ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
男の人がやたらと寄ってくる体質の私。 どうして、王太子様や側近の方まで 寄ってくるの〜?? 私はカイルと結婚したいだけなのに!!! 乙女ゲームのような世界で テンションは高いが表情筋は死んでる犬獣人カイル ✕ 聖女アイリのすれ違いラブコメ
運命には間に合いますか?

総文字数/29,663

恋愛(純愛)28ページ

ベリーズカフェラブストーリー大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
スペイン建築が大好きな設計士 大橋優那(おおはし ゆな) 28歳 × せっかちな空間デザイナー 守谷翔真(もりや しょうま) 33歳 優那はスペイン建築を学ぶという夢が実現するというときに、空間デザイナーの翔真と出会った。 せっかちな彼は出会って二日目で優那を口説いてくる。 翔真に惹かれながらも、スペインに行くことが決まっている優那はその気持ちに応えられないときっぱり告げた。 それでも、翔真はあきらめてくれない。 毎日のように熱く口説かれて、優那は――
不機嫌な魔術師は、生け贄の聖女をたすけたい。

総文字数/4,609

ファンタジー1ページ

第6回ベリーズカフェファンタジー小説大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
コンテスト「1話だけ部門」応募作品です。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop