本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
どうせなにを言っても聞く耳を持たない相手に教えてあげる義理もない。けれど、立ち去る前にこれだけは言っておかなければと、仮面のように貼り付けていた笑みを消した。
「なんでもいいけど、ひとの夫をなれなれしく名前で呼ぶのはやめていただけるかしら。不愉快だわ」
彼女がグッと怯むのがわかった。
社会に出てすぐのお嬢様に言い負けているようでは、これまでのキャリアが泣く。こっちはもう十年近く、国内外のつわもの達と渡り合っているのだ。
たしかに、もしあのときシンガポールで再会しなければ、今頃圭君は菊池さんとお見合いしていたのかもしれない。けれどそれも〝たられば〟の話だ。彼女がどんなに嘆いても、彼と結婚したのは私なのだ。
そうだ。私は朝比奈圭吾の妻だ。
なにが『永遠に家族のまま』だ、『愛されることさえ望まなければいい』だ。諦めるには早すぎる。まだ、彼にひとりの女性として見てもらうための努力をなにもしていないじゃないか。
ずっとそばにいることのできる特別な権利をすでに得ているくせに、なにを贅沢なことを考えていたのだろう。
彼が私のことを何とも思っていなくても、時間なら十分にある。なんなら墓の中まで追いかけて行って、何度でも「すき」を伝えればいい。
〝運命の赤い糸〟なんて、自分でたぐり寄せてくくりつけてやればいいのだ。
そうと決まれば今度こそ圭君に告白しよう。彼が私をどう思っているかではない、私が彼をどう思っているかだ。そのことをきちんと言葉にして伝えるんだ。
「なんでもいいけど、ひとの夫をなれなれしく名前で呼ぶのはやめていただけるかしら。不愉快だわ」
彼女がグッと怯むのがわかった。
社会に出てすぐのお嬢様に言い負けているようでは、これまでのキャリアが泣く。こっちはもう十年近く、国内外のつわもの達と渡り合っているのだ。
たしかに、もしあのときシンガポールで再会しなければ、今頃圭君は菊池さんとお見合いしていたのかもしれない。けれどそれも〝たられば〟の話だ。彼女がどんなに嘆いても、彼と結婚したのは私なのだ。
そうだ。私は朝比奈圭吾の妻だ。
なにが『永遠に家族のまま』だ、『愛されることさえ望まなければいい』だ。諦めるには早すぎる。まだ、彼にひとりの女性として見てもらうための努力をなにもしていないじゃないか。
ずっとそばにいることのできる特別な権利をすでに得ているくせに、なにを贅沢なことを考えていたのだろう。
彼が私のことを何とも思っていなくても、時間なら十分にある。なんなら墓の中まで追いかけて行って、何度でも「すき」を伝えればいい。
〝運命の赤い糸〟なんて、自分でたぐり寄せてくくりつけてやればいいのだ。
そうと決まれば今度こそ圭君に告白しよう。彼が私をどう思っているかではない、私が彼をどう思っているかだ。そのことをきちんと言葉にして伝えるんだ。