本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「どうやら俺はかなり嫉妬深いらしい」
「えっ!」

 思わず大きな声で驚くと、彼がさらに苦い顔になる。

「あの男におまえが処女をあげたかったんだと思うだけでかなり腹が煮える」
「……っ! その話は忘れてっ」
「それが簡単にできれば苦労はしない。前におまえを外務省の入り口で待っていたとき、おまえと一緒に出てきたあの男を見て、追いかけて行って『こんないい女を振るとは、もったいないことをしたな』と言ってやろうかと思った」
「なっ!」
「今回の写真も正直かなり業腹だ。あの場で写真を引きちぎりたいのを必死に抑えていた。大事な証拠を破損させるわけにはいかないという考えはもちろんあったが、それよりも、そんな取り乱した姿をおまえに見られたくなかったというのが一番だったな」
「う、そ……」
「うそじゃない。平気そうに見えたのは、長年弁護士として培ってきたポーカーフェイスのおかげだろうな」

 そうまで言われても、彼の『愛している』という言葉を百パーセント信じきることができないでいた。
 彼が抱いた嫉妬心は、子どもの頃からかわいがってきた〝妹〟がほかの男に興味を持つことが気に入らないだけ。シスコンの兄弟や娘を持つ父親の心境のようなものかもしれない。

「俺がいつまでもおまえのことを妹だと思っているとでも?」

 開きかけた唇の下を彼が指の腹でなぞる。
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