本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「朝比奈先生の妹さんなのですか?」
唐突な質問に「え?」と顔を上げると、すぐそばに菊池さんが立っていた。
「『お兄ちゃん』とお呼びになっていたので」
どうやら最初のあれを聞かれていたらしい。長年の癖が抜けず、動揺すると反射的に口から出るのだ。名字が違うのは、私を既婚の妹だと思ったからだろう。
「幼なじみなんです。圭……朝比奈弁護士とは」
「幼なじみ……そう、だったんですか……」
顔を曇らせた菊池さんに、やっぱりと思った。いくら驚いたからとはいえ、仕事相手にその呼び方はよくなかった。プライベートを持ち出したことを謝ろうと口を開きかけたとき。
「じゃあ、朝比奈先生がご結婚されたことをご存じですか?」
「えっ……あ、はい……」
知ってるもなにもその相手は自分だ。知らない方がおかしい。
「お相手の方のことも?」
「え!」
頭の中を読まれたのかと思って、思わず大きめの声が出た。『イエス』と捉えたのだろうか、彼女が身を乗り出してくる。
「ご存じなら教えてください。どんな方なのですか? 年齢は? ご職業は? 同じ弁護士の方とか……もしくはどこかのご令嬢ですか?」
十センチほど背の低い彼女から間近で見上げられ、無意識に足が後ろに下がる。
くりくりとした二重まぶたの瞳。ハーフアップの髪は、ふんわりと自然なカーブを描いて肩口で揺れる。
子犬のようなかわいらしい女の子に、頬を上気させながら必死の形相で尋ねられれば嫌でもわかってしまう。彼女が圭君に想いを寄せているのは一目瞭然だ。
唐突な質問に「え?」と顔を上げると、すぐそばに菊池さんが立っていた。
「『お兄ちゃん』とお呼びになっていたので」
どうやら最初のあれを聞かれていたらしい。長年の癖が抜けず、動揺すると反射的に口から出るのだ。名字が違うのは、私を既婚の妹だと思ったからだろう。
「幼なじみなんです。圭……朝比奈弁護士とは」
「幼なじみ……そう、だったんですか……」
顔を曇らせた菊池さんに、やっぱりと思った。いくら驚いたからとはいえ、仕事相手にその呼び方はよくなかった。プライベートを持ち出したことを謝ろうと口を開きかけたとき。
「じゃあ、朝比奈先生がご結婚されたことをご存じですか?」
「えっ……あ、はい……」
知ってるもなにもその相手は自分だ。知らない方がおかしい。
「お相手の方のことも?」
「え!」
頭の中を読まれたのかと思って、思わず大きめの声が出た。『イエス』と捉えたのだろうか、彼女が身を乗り出してくる。
「ご存じなら教えてください。どんな方なのですか? 年齢は? ご職業は? 同じ弁護士の方とか……もしくはどこかのご令嬢ですか?」
十センチほど背の低い彼女から間近で見上げられ、無意識に足が後ろに下がる。
くりくりとした二重まぶたの瞳。ハーフアップの髪は、ふんわりと自然なカーブを描いて肩口で揺れる。
子犬のようなかわいらしい女の子に、頬を上気させながら必死の形相で尋ねられれば嫌でもわかってしまう。彼女が圭君に想いを寄せているのは一目瞭然だ。