本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
 相変わらずモテモテなのね……。

 こんな若くてかわいい子に好意を持たれているのだから、わざわざお見合いなんてする必要はなかったんじゃないだろうか。私が強引に結婚を迫っていなければ、きっと彼はもっと素敵な相手と恋愛結婚できていたかもしれない。例えばこの目の前の初々しくかわいらしい新人アシスタントとか――。

 ズキン、と胸が痛む。
 私なんて仕事だけが取り柄でかわいげもない。幼なじみという立場がなければ、見向きもしてもらえなかっただろう。再び胸の痛みが襲ってきて、眉をしかめそうになる。

「あの……ご存じないんですか?」
「あ、いえ、それは」

 訝しげに問われ、答えに迷う。
『知らない』と逃げたいが嘘もつけない。いっそ『私です』と言ってしまおうか。
 一瞬の逡巡の後、彼女を見据えた。

「プライベートのことですから、ご本人に直接お尋ねください」

 たとえ夫婦だろうと幼なじみだろうと、彼のプライベートを勝手に話すわけにはいかない。

 これで大人しく引き下がってくれるわよね。
 そう思ったが――。

「それができたらとっくの昔にしています」

 ピシャリと言われて呆気にとられる。今日びの若い子って、メンタルが強いのか弱いのかよくわからない。

「それまで全然付き合っている人がいる雰囲気じゃなかったのに、ある日突然結婚したって聞いて……。きっといいところのお嬢様と政略結婚したんですよね」
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