本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
あのときはとっさにああ言ったけど、行為自体が嫌だったわけじゃない。そう説明すればことは収まるかもしれないけれど、さすがに今ここでそれは恥ずかしすぎる。万が一知り合いにでも――いや、まったく知らない赤の他人にでも、こんな会話を聞かれるなんて無理だ。
とにかくなんとかこの場を収めないと。
「わかった。これを食べてくれたらチャラにするわ」
ひとつの小皿を手に取り、彼に向ける。
「それって……」
彼が目を丸くする。そこにあるのは〝シイタケ〟だ。
「もしかしてまだ食べられないのか?」
「そこは今問題じゃないの」
軽く口を尖らせると彼が小さく吹き出した。
シイタケは、子どもの頃は匂いを嗅ぐのも嫌なくらいだめだった。一口食べたらこの独特な風味と味にずっと口の中を占拠される気になる。
両親は好き嫌いにはそこまで厳しい方ではなかったが、出されたものはどんなものでもひと口だけは食べないといけないというルールがあったので、出てきた瞬間憂鬱になったものだ。姉なんて全然知らんぷりだったが、圭君だけがこっそりもらってくれていたのだ。
今はさすがにいい大人なので、飲み会や会食などで出されたらなに食わぬ顔で口に入れ、速やかに飲み物で流し込むのだ。
「そうか、あの頃と一緒か」
口もとを緩ませた彼の表情が若干ほぐれたことに内心安堵するが、顔には出さず、じろんと睨む。
「もらってくれるのくれないの、どっち?」
「もちろんいただくよ。それで許してくれるのか?」
コクンとうなずくと、「じゃあ」と言って皿ごと引き取ろうとする。
とにかくなんとかこの場を収めないと。
「わかった。これを食べてくれたらチャラにするわ」
ひとつの小皿を手に取り、彼に向ける。
「それって……」
彼が目を丸くする。そこにあるのは〝シイタケ〟だ。
「もしかしてまだ食べられないのか?」
「そこは今問題じゃないの」
軽く口を尖らせると彼が小さく吹き出した。
シイタケは、子どもの頃は匂いを嗅ぐのも嫌なくらいだめだった。一口食べたらこの独特な風味と味にずっと口の中を占拠される気になる。
両親は好き嫌いにはそこまで厳しい方ではなかったが、出されたものはどんなものでもひと口だけは食べないといけないというルールがあったので、出てきた瞬間憂鬱になったものだ。姉なんて全然知らんぷりだったが、圭君だけがこっそりもらってくれていたのだ。
今はさすがにいい大人なので、飲み会や会食などで出されたらなに食わぬ顔で口に入れ、速やかに飲み物で流し込むのだ。
「そうか、あの頃と一緒か」
口もとを緩ませた彼の表情が若干ほぐれたことに内心安堵するが、顔には出さず、じろんと睨む。
「もらってくれるのくれないの、どっち?」
「もちろんいただくよ。それで許してくれるのか?」
コクンとうなずくと、「じゃあ」と言って皿ごと引き取ろうとする。