契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 はいとも違うとも言えない。
 今更ながら、気合を入れ過ぎた自分が途轍もなく恥ずかしかった。
 それでも東雲が感嘆の息を漏らしてくれたことで、全てが報われた気分になる。お気に召したのだと思えば、勇気を出してよかったと思うから単純だった。

「脱がせてしまうのがもったいないな」
「や……っ」

 だからと言って、このままでは困る。
 既にショーツが濡れているのを希実は先ほどから察していた。
 薄布が秘めるべき場所に張り付いて、どうしても気になる。
 無意識に膝を擦り合わせると、彼が嫣然と微笑んだ。

「君が好きだ」

 言葉だけでなく、視線や余裕のない呼吸音でも、好意を伝えてくれている。
 誠実な声音には、疑う余地はどこにもなかった。

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