契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
 一人暮らしのマンションに帰り、だらけた土日を堪能する計画しかない。
 作り置き用の料理を拵え、溜まった録画を観て、最低限の家事をこなしたら部屋着でゴロゴロするつもりだったのだ。

「でしたら、丁度いい。今から希実さんの部屋へ行きましょう」
「はいっ?」

 裏返り、悲鳴じみた声が出た。
 あまりにも予想外で横面を叩かれた心地がする。
 しかし東雲は希実の動揺を気にせず、極上の笑顔を向けてきた。

「同居は条件に合う物件を見つけてからのつもりでしたが、今すぐ始めましょう。ひとまず僕の部屋に越してきてください。今夜から準備を始めれば土日である程度荷物を纏められますよね? ああ、本当に必要なものだけ移動すれば結構ですよ。大きなものは全部こちらで用意します」
「ぇ……あの……」
「それでは出発します。行動は早い方がいい。希実さんのご住所を教えてください」
「……ぁ、あ……県を跨ぐんですが……」

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