塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 ──ばーか。
 ──人より劣ってるんだから、努力するしかないだろ。
 ──一生負け犬かよ。
 ──待ってたら、誰か来てお前を救ってくれるのかよ。人生舐めんなよ。
 ──自分がいいと思ってるものなんて、ごみクズだって可能性もあるんだからな。

「うぅ……思い出すとひどい」

 でも、弱い自分に嫌気がさして、袋小路のような日々を送っていた中学時代、たすくの言葉に力をもらった。誰の言葉もたすくの言葉のようには響かなかった。
 言葉は辛辣でも、ひなたはたすくを信頼していた。逆に言葉は優しくても、本当の思いやりはもっていない人間もいることに気づいた。
 我ながら気持ち悪い行動だけど、勉強がてらモデルにさせてほしい。
 あちこりいじくりまわしているうちに夜が更けていく。没頭していると、悩みも忘れられる。趣味とはすなわち実益があるのだ。

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