塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 ──だけど本当は優しい。

 塩をかけすぎたスイカみたいにあまりに冷たいから、中にある甘さを知る前に口の中が塩気に支配されてしまう。
 
 ──今夜、電話してみようかな。

 多分だけど、あんなお別れだったから、少しは心配しているのかもしれない。
 母親が〇家に迷惑をかけたのもあって、引け目があってなにを話していいかわからないけれど。

 
 電話をすると、懐かしいあの不機嫌そうな声がした。


「今から行く」
「えっ?」

 そう言ったのにすぐに通話は切られていた。

 ものの10分ほどで電話が来て、たすくがひなたのアパートの近くまで来ていると言う。
 慌てて、ダサいジャージに眼鏡のまま、道路に出ると、たすくがいた。

「あの……外じゃなんだから。散らかってるけど」
「あー」
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