塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
まだ若い運転手さんは、よっしゃ任せてくださいと快く尾行してくれた。その間に、たすくがスマホから警察を呼んでくれた。
「ちょっと知り合いがトラブルで無理やり車に乗せられたんですが。いや暴力とかはまだなさそうだけど様子がおかしかったんで」
簡単に事情を説明すると、一度通話を切った。
「あいつ、借金でもあるのか。付き合う男は選べよ」
「そうじゃなくて……借金とかじゃないと思う」
世の中は、だんだんとマイノリティにも配慮する方向に向かっているけれど、中には偏見がある人もいる。たすくが別に差別したりするとは思っていない。
でもプライバシーというものがあるし、相手がたすくでも勝手にハル君が同性愛者であることを言ってはいけない。黙り込んでこの緊急事態に青ざめていると、たすくが、ひなたの頭に手をぽんと置いた。