塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 食欲はなかったけれど一口食べると熱くて美味しくて、すぐに完食してしまう。

「これ、渡しとく」

 軽い感じで渡された合鍵を貰っていいのか迷う。新しく部屋を借りるにも時間がかかる。ホテルに泊まるのはお金が足りない。ほかに泊めてくれそうな友達もいない。
 結論としては、ここにお世話になるしかないと気づく。

「でも彼女とかいい気がしないんじゃ」

 こんなんでも一応肉体の性別は女だから、もしも彼女がいたら、嫌なんじゃないかなと思うので一応確認しておく。居酒屋で会ったきれいな人の顔が浮かんだ。

「いねーし」
「そ、そうなんだ」

 意外な言葉だった。高校時代からモテモテで常にだれか女子が後ろをついてまわっていた。それもスクールカースト最上位にいるような明るくてかわいい女子が。
 だからたすくに彼女がいないなんて、意外なことだった。
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