塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 ひなたを恋愛対象として見ていなかった。ただ不幸体質で母親の身勝手な要求に振り回されるひなたが不憫でほうっておけなかっただけで。

「たすく君はさ、一人でなんでもできてしまうしっかりした子どもだったから、父子家庭だというのにちゃんとしたケアもできなかったこと、後悔してるし申し訳なく思ってる。強い子だからって思ってたけど、多分僕に気を使って無理やりしっかりしたところもあると思う」

 それは、まぁそういう面がないわけじゃない。母親不在で困らない子なんていない。近所にいる祖母だって、母親の代わりにはなれないのだから。
 弱いところを人には見せたくない。だからそのためになんでも頑張ってきた。だから多少性格がねじくれてしまった自覚はある。

「だから、ひなたちゃんみたいな子とはお似合いだと思うよ」

 ひなたといると、いつも力んでいる体と心が弛む。ぐっと歯を食いしばるような時もひなたのちょっと困ったみたいな狸顔を思い出すと、いい感じで力が抜けるのだ。
 たすくにとって、ひなたは自分らしくいれる居場所となっている。

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