塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 
 母を幼くして亡くしたことへの周囲からの同情は突っぱねた。惨めな子供だと思われるのは癪だから。

 そんなふうに肩肘を張ったまま育ったものだから、多少性格はねじくれる。
 天の邪鬼とか、協調性がないとか散々言われてきたけれど、群れてないと不安な奴らの戯言だ。

 他人に時間を使うなんて無駄だと思ってたし、長時間誰かといるなんて考えられない。好きだと言われて付き合っても、皆たすくのそういう部分に耐えきれずにすぐに別れることになる。

 学園祭りのあと、ミカに話があると言われている。
 ミカには以前告白されている。
 ミカの本質はたすくと似ていて、気難しい。だからうまくはいかないと断った。
 今日の約束も会わないで断ったほうがいいのかもしれない。
 今までどうしても、異性といてしっくりくることがなかった。これからもないと思っていた。
 
でもひなたといると、肩の力が抜けて、素の自分になれる。
 ひなたは、たすくが頑張ろうが頑張るまいが変わらないだろう。ただそこにあるものをそのまま受け入れるようなところが、一緒にいて心地よい。
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