塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 父親のほうにイギリスの血が入っているせいか、見た目が少し違うことでからかわれたことはあるが、陰険な奴はきっちり反撃してくる人間を選んだりはしないのだ。
 卑怯な奴は、弱くて殴り返せない者を狙う。
 ひなたみたいに。
 痴漢だって、気が強そうな派手な女より大人しくて声を出せなさそうな女を狙う。

 どう考えても毒親で頭がお花畑な母親にも従順だし、自分の頭でものを考えられないのかもしれない。
 
 そんなことを思いながら教室へ向かうと声をかけられた。
 
「あれ、今日遅刻?」
「あー、夜までゲームして寝坊した」
 卒業まで一年とちょっと。進路はもう決めている。東京の大学へ行って、家を出るつもりだった。
 よく医者の子は医者になれと親に言われるようだが、たすくの父親はそういうことは言わず、自主的に任せてくれる。
 
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