塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 なんてことを言うのだろう。嫌がるに決まってる。ひなたが慌てていると、母のかなえも口を出した。

「でも来年はたすく君も受験で忙しいんじゃ。東京の大学に行くんでしょ? ひなたに教えてる時間なんてないんじゃないかしら」
 
 母の言う通りだ。なのに、たすくは夕飯の肉じゃがを食べながらひなたのほうを見た。

「いいよ。別に。その代わり厳しいけど。俺が言った課題全部こなしたら学年30位には入れさせる自信がある」
「さすがだね。我が子ながら頼りになるなぁ」

 おじさんの鷹揚な言葉に緊張で心臓がぎゅっと掴まれたような気分だった。できなかったらどうしよう。

 その夜からひなたは、たすくに命じられた問題集を必死で解いた。解き終わるとたすくの部屋にもっていき、できないところはできるまで延々と難解でもやり直しをさせられた。
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