塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 もうたすくがなにを言っているのかわからなかった。わぁわぁ大声で泣き出したひなたを見て、コウシャクがたすくをたしなめるようにたすくを恨めし気な目で見た。

「……わりぃ、言い過ぎた。帰ろう」

 そこから先の記憶は曖昧で、雨に打たれたひなたは、翌日熱を出した。リビングでは母と義父が長いこと話し合っているようだった。
 熱で朦朧とした頭で、たすくに言われた言葉を考える。

 ──私は誰にも愛されてない。お母さんはお母さんのことしか考えてない。

一番認めたくなかった事実。いい子でいれば、愛してもらえると思っている幼い自分がいる。だから嫌なことも嫌だと言わずに、辛いことが合っても黙って耐える。
 誰かにとって都合のよい存在であることと、愛されることはイコールではない。多分。
 
< 75 / 311 >

この作品をシェア

pagetop