塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 心のどこかでは、わかっていたけれど、だからってどうしたらよかったのか。ひなたが頼るべき存在は母しかおらず、母もまたひなたに依存していた。
 同じことをぐるぐる考えているうちに、悪夢や過去の優しい思い出の夢を交互に見て、くたくたになっていた。

「ひなた、大丈夫?」
「うん」

 かなえが部屋に水とおかゆを持ってきた。
 ベッドの脇に座り込み、かなえが辛そうな顔をしている。
 
「ごめんね、ひなた。お母さんのせいだよね。ずっと振り回してきたから」
「…………」
「でも信じて。不倫とかじゃないの。ただ気持ちのうえでは裏切ったかもしれないし、相手のご家族にも迷惑をかけてしまったから、けじめをつけようと思って」

 心臓がバクバクする。嫌な予感しかしない。
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