塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい

第二部 大学生編

 大学に入学して数日。語学の初の授業があった。

 ──噂には聞いてたけど、男の子しかいない。

 ひなたの進んだ理工学部は9割が男子で女子がいるとものすごく目立つ。
 語学はドイツ語を選んでしまったせいか、クラスに女子は二人。
 その子に勇気を出して話しかけたけれど、冷たく返されてからはぼっちを覚悟した。

 三年間祖母の家から高校に通い、勉強とバイトに明け暮れた。母のかなえは、カウンセリングを受けながら仕事はしていたし、恋愛トラブルを起こすこともなくなっていた。
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