前世恋人だった副社長が、甘すぎる
氷の副社長か。
それならなおさら興味はない。
いくらお金持ちでも、性格が悪いだなんてごめんだ。
いや、そもそも副社長だって私なんかに見向きもしないだろうが。
私は性格の悪い金持ちよりも、貧乏でも甘くて優しいマルクのほうがいい。
こうやって前世に溺れている私だから、今世では一歩も前に進めていないのだろう。
泉と話をしていると、辺りがざわざわと動き出す。
休憩時間ももう終わりだ。
さあ、フロントに戻ろう。
私は立ち上がり、ピシッと背筋を伸ばした。
鏡に映った制服姿の私は、見慣れた顔で私を見返している。
さあ、今日も後半戦、頑張ろう!