前世恋人だった副社長が、甘すぎる



更衣室でドレスに着替えると、この女性が慣れた手つきで手早く髪をセットしてくれた。

アップにされた髪には生花が刺され、夜空のようなドレスに包まれた私はまるで別人だった。

……そう、前世の自分を思い出し、知らぬ間に背筋もすっと伸びている。



「黒崎様、準備が整いました」


扉が開かれると、目の前にはクールに腕を組んで座る怜士さんがいたが……


「穂花……」


私を見ると頬を染め、口元を緩ませる。そして、まるでずっと会えなかった恋人にようやく会えた人のように泣きそうな顔をするのだ。

嬉しげで切なげなその瞳を見て、やっぱり怜士さんはクリスチーヌに恋しているのだと再認識する。


< 102 / 258 >

この作品をシェア

pagetop