前世恋人だった副社長が、甘すぎる
こんな私を見て、
「お蝶が生ビールとか似合わないよねー」
女子たちは騒ぐ。
「分かる分かる、ワインとか飲んでいそうなのに。
でも、そんな飾らないお蝶が好きよ!」
わざと庶民らしくしていたわけではない。
それよりも、わざと令嬢らしくしていたわけでもない。
私は二十歳になるまで前世のことは知らなかった訳だし、全然の癖みたいなものが勝手に出ていただけで、育ちは生粋の庶民である。
それが、怜士さんとの生活で、少し狂ってしまっただけだろう。
だって今の私は生ビールをぐいぐい飲むし、唐揚げや枝豆なんかを美味しく頬張る。
そして、友達と昔話に花を咲かせたり、恋の相談に乗ったりするのだ。
「そうそう、報告があります」
嬉しそうに泉が言う。
こんな表情を見ると、報告の内容は何となく分かってしまう。
そして予想通り、
「私、結婚することになったの!」
泉は笑顔で告げた。
その瞬間、友達と一緒におめでとうと叫ぶ。