前世恋人だった副社長が、甘すぎる
気を取り直すように生ビールをぐいっと飲む。
前世の優雅な記憶もあるが、私にはこういった普通が一番だと思い知る。
こうやって話に花を咲かせ、気付いたら九時近くになっていた。
もうそろそろ帰るか連絡しないと、怜士さんは心配するかな。だって、怜士さんはすごく心配症なんだから。
アルコールの回った頭でぼーっと考えた。
「穂花も二次会のカラオケ行こ!
私の彼氏も来るって!!」
泉に誘われる。
それだけでなく、他の二人も男友達を呼ぼうと言い始めた。
それなら私は帰ろうかと思ったが、久しぶりに会った友達に引き止められる。
「ねえ、穂花も行こうよ!
誰か別の人呼んでもいいからさぁ!!」
私の頭に浮かんだのは、やっぱり怜士さん。
だけど怜士さんは忙しいだろうし、そもそもこんな庶民の集まりになんて行きたくもないだろう。
ただ、一応断りだけは入れておかなければならないな、と思う。
だから私はスマホに耳を当て、怜士さんに電話をかけた。
三コールほど呼び出し音が鳴り、怜士さんが電話に出る。
「どうしたんだ、穂花?」
その声を聞き、にやけしまったのは言うまでもない。
「あのね、怜士さん……」
私は事情を話したのだ。