前世恋人だった副社長が、甘すぎる





それから三十分後……ーーーー。



私たちは、ごく普通のとあるカラオケ店にいた。

泉と泉の彼氏が、仲良くデュエットしているのを聞いたりして。

そんな私の前には、頬を染めた友達が二人。


「ねえ、お蝶。私たち、何も聞いてないんだけど!」


隣に座る怜士さんと私を交互に見る。


「お蝶?」


怜士さんはいちいち反応し、説明して欲しそうに私に聞くが、

「何でもないです!聞き流してください!」

私はそう告げて生ビールに口を付けた。

そして怜士さんも、私と同じように生ビールを飲む。


「これ美味しいな、プレミアムモルズ」

「そうそう、プレミアムモルズ、高いですからね」


友達がきゃっきゃっと言うが、怜士さんにとってプレミアムモルズなんて、ゴミ以下だろう。

それなのに、庶民に合わせてもらって申し訳なく思う。

そんな友達に笑いながら、怜士さんは勧められるままに手掴みでポテトなんて食べている。

そんな怜士さんに、友達二人はやっぱりハートの目だ。仕方がない、怜士さんはかっこいいから。

お金持ち、副社長という肩書きがなくとも、極上男だから。


< 154 / 258 >

この作品をシェア

pagetop