前世恋人だった副社長が、甘すぎる
それから三十分後……ーーーー。
私たちは、ごく普通のとあるカラオケ店にいた。
泉と泉の彼氏が、仲良くデュエットしているのを聞いたりして。
そんな私の前には、頬を染めた友達が二人。
「ねえ、お蝶。私たち、何も聞いてないんだけど!」
隣に座る怜士さんと私を交互に見る。
「お蝶?」
怜士さんはいちいち反応し、説明して欲しそうに私に聞くが、
「何でもないです!聞き流してください!」
私はそう告げて生ビールに口を付けた。
そして怜士さんも、私と同じように生ビールを飲む。
「これ美味しいな、プレミアムモルズ」
「そうそう、プレミアムモルズ、高いですからね」
友達がきゃっきゃっと言うが、怜士さんにとってプレミアムモルズなんて、ゴミ以下だろう。
それなのに、庶民に合わせてもらって申し訳なく思う。
そんな友達に笑いながら、怜士さんは勧められるままに手掴みでポテトなんて食べている。
そんな怜士さんに、友達二人はやっぱりハートの目だ。仕方がない、怜士さんはかっこいいから。
お金持ち、副社長という肩書きがなくとも、極上男だから。