前世恋人だった副社長が、甘すぎる


ー穂花sideー




今日は比較的穏やかな一日だ。

だが、平日の今日は客は外国人観光客が多かった。

寄り添ってキスをしたり、東京の観光パンフレットを見ているカップルを見て、胸の奥がずきんとしたのは言うまでもない。

そして私は気付いてしまった。今日の宿泊者名簿を見ていると、スイートルームが埋まっていた。

その予約者の名前は……黒崎怜士。

胸がズキンとした。



私はずっと怜士さんを待っていたが、怜士さんは本当に小川さんと結婚準備を進めているのかもしれない。

もう、私のことなんてどうでも良くなって、スイートルームで小川さんを抱くのだろう。

怜士さんの優しい瞳や熱い唇を思い出し、涙を我慢するのがやっとだ。

こんなことになるのなら、怜士さんの言う通り駆け落ちすれば良かった……。


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