前世恋人だった副社長が、甘すぎる






数時間後……

私は赤いドレスを着てレストランのスタッフルームにいた。 
この背中がざっくり開いたドレス、実は以前に怜士さんが大人買いしたものだ。

どうしてこんなところにあるのだろう。きっと、怜士さんがいらなくなって捨てたのだという結論に至る。

怜士さんは私との関係を忘れるためにこのドレスを処分したが、それを着ている私を見てあきれるかな。

それとも、豚に真珠だと婚約者と笑うのかもしれない。

鏡に映る私は、不安そうな瞳でこっちを見ていた。

怜士さんと離れてからろくにものも食べていないので、随分やつれたようにも思う。


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