前世恋人だった副社長が、甘すぎる


こんな、悲劇のヒロインみたいな出立ちの私を見て、

「わーっ!穂花すごく綺麗。

まるで中世のお嬢様みたい!」

泉は褒めてくれるが、気分の落ちている私を見て無理矢理元気に言ってくれているということはよく分かった。

私はこんなにも泉に気を遣わせて、何をしているのだろう。


「穂花、もうすぐ時間だよ」


泉は笑顔で言う。


「穂花にとって、いい時間になりますように!」

「訳が分からないよ」


私はそう呟き、部屋を出た。



レストランが近付くにつれて、ドキドキドキドキ……鼓動が大きくなる。

最近ピアノなんてあまり弾いていないから、弾けなかったらどうしようと不安に駆られる。

だけど……負けない。



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