前世恋人だった副社長が、甘すぎる
そして、我慢していた涙がまた溢れそうになる。
「怜士さんと結婚しても……いいんですね」
噛み締めるように吐き出したその言葉は震えていた。
嬉しくて嬉しくて、この幸せが信じられなくて。
私、怜士さんの隣にいてもいいんだという事実を、少しずつだけど実感していく。
私の言葉に怜士さんが頷いた。
その、嬉しそうに細められた切れ長の瞳、幸せそうに上がった口角、少し染まった頬……愛しい怜士さんにもう会えないと思ったのに、これからもずっと一緒にいられるだなんて。
「熱い熱い!私、疲れたからもうそろそろ帰るね」
わざとらしく手をぱたぱたさせる泉に、ありがとうと言う。
私の知らないところで、泉は私と怜士さんのためにたくさん動いてくれた。
私は泉に何も話さなかったのに。
感謝しても仕切れないほどだ。
「泉さん!」
引き止めるように怜士さんが呼んだ。
振り返る泉さんに、怜士さんは告げる。
「泉さんも本部で働いてよ。
俺、泉さんのことは絶対的に信頼しているから」