前世恋人だった副社長が、甘すぎる
副社長の家は豪邸……ではなく、これまた都心の高級マンションの最上階だった。
きっと実家は豪邸なのだろうが、この庶民とは縁のない億ションに一人で住んでいるらしい。
まるでホテルのようなロビーを抜け、豪華なエレベーターで最上階を目指す。
副社長の手はそっと私の背中に添えられ、エスコートしてくれる姿はさながら紳士だった。
そして扉を開くと副社長の香りとともに、見たこともない東京の夜景が目に飛び込んだ。
「綺麗……」
思わず窓から外を眺める私を、副社長は後ろからそっと抱きしめる。
思わず身体がびくんと跳ね、胸が熱くなった。
「穂花のほうが綺麗だよ」
なんてキザな言葉を恥ずかしげもなく言い、副社長は私の頭に頬を寄せる。
ガラスには、幸せそうに目を細める副社長が映り、私の胸まで温かくなった。
そして、副社長を見上げると、ちゅっ、ちゅっと頬やら額やらにキスをくれる。
この、副社長の愛が怖い。底なし沼のような、この愛が。